はじめての♪「おでかけ暁雨館大学」開催!!

 令和4年4月23日(土)おでかけ暁雨館大学「地域の活断層を歩こう~畑野断層~」が開催されました。いつもは暁雨館を会場に講師をお招きし、郷土の歴史や先人、自然などについて学んでいた暁雨館大学ですが、今回は外に飛び出して実際に地域を巡り、学びを深めていこうということで初の「おでかけ」する暁雨館大学の開催となりました。

 

 講師は愛媛県総合科学博物館学芸員で地質学等がご専門の山根勝枝さん。山根さんのガイドのもと、参加者20名が土居町野田~津根間に見られる断層地形(断層沿いに形成される特徴的な地形)などを歩いて巡りました。

 今回観察した畑野断層は過去に繰り返し活動したとされる「活断層」で、畑野断層沿いとなる当区間の地表には、畑野断層の活動によって横ずれした地形や、地下から湧き出る水(湧水(ゆうすい))がある場所など、計4か所の観察地点が見られます。

 

 山根さんの解説を聞き、いざ最初の観察地点に出発です!

 

 

 

 土居町野田の住宅地内に見られる奇妙に曲がった道路は、実は畑野断層の活動によって右に横ずれして形成された場所で、その後人の手が大きく加わることなく、右横ずれの断層地形が地表にそのまま残された県内でも珍しい場所であるとのことでした。山根さんは横ずれ断層の仕組みについて、模型を使いながら分かりやすく解説してくださいました。

 

 

右横ずれと左横ずれの違いって?岩盤の動きになりきって体を移動させ、実感しながら学びます。

 

 次の観察地点までは三角面が連なったように見える宇摩の山並みを南に観察しながら移動。これらは畑野断層に並んで走る石鎚断層が形成した「三角末端面(さんかくまったんめん)」という断層地形で、山根さんはこのようにきれいに三角末端面が確認できる場所は日本でも有数であると教えてくださいました。

 

 

 当地域には屋根の上にコンクリートのブロックを置いてやまじ風対策をした家屋が多く見られます。こちらもいっしょに観察。

 

 

 2つめの観察地点は畑野断層の活動による湧水が観察できる場所で、土居町津根の住宅地内にあります。見事な石垣が残されており、かつてここでは湧水を利用してお酒が造られていたそうです。

 

 

 さらに村山神社に移動し、境内にあるもう一つ湧水も確認。こちらも畑野断層がもとで湧き出た水だと考えられています。

 

 

 次は3つめの観察地点、土居町津根の籠池(かごいけ)へ。池のふち沿いと堤(つつみ)の間に畑野断層が走っていて、一見分かりづらいのですが、北側の地表が数十センチほど上にずれているそうです。

 

 

 

 籠池から南には宇摩の急峻な山々を仰ぎ見ることができます。これも石鎚断層が形成した「断層崖(だんそうがい)」によるもの。ふるさとの雄大な山並み、その景観は実は断層の存在によって作り出されたものだったのですね。

 

 

 最後4つめの観察地点、土居町津根西大道付近では道路の屈曲を観察。約3m右に横ずれしています。これまでは地表に見える特徴的な地形などから畑野断層の存在を確認してきましたが、この場所ではすでにトレンチ調査が実施されていることから畑野断層の存在が断定できるとのことでした。

 

 

 

 以上4か所を巡り、20名の参加者のみなさんは実感しながら畑野断層についての学びを深めていかれました。また近年は地震活動についてクローズアップされていることからも、そのメカニズムを真剣に学ばれているようでした。

 そして、今回のおでかけ暁雨館大学を経て改めて実感したことは、四国中央市は大地の成り立ちやその活動の様子を身近に観察できる“学びの素材”がぎゅっと詰まった場所だった、ということです。今度から眺めるふるさとの景色がまた違って見えてくる― そんなきっかけとなった時間になりました。

 分かりやすく教えてくださった講師の山根さん、そして一緒に学んでくださった参加者の皆さん、本当にありがとうございました。

 次回、おでかけ暁雨館大学は秋頃開催予定です。

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